宴を楽しく!「酔い」の正体を知る

宴を楽しく!「酔い」の正体を知る

こんにちは。
【月桂冠オンラインショップ】の尾原です。

3月は異動のシーズンですね。
送別会や歓迎会といった
お酒を飲む機会が多くなります。

今回は宴会を楽しく過ごすために、
「酔い」の正体についてお話したいと思います。

「酔い」の正体

「酔い」とはアルコールの麻酔作用に
よるものです。

飲んだアルコールは胃や腸で吸収されて
血管へまわり、血液中のアルコール濃度が
高くなることで酔いが回ってきます。

酔いが回ると思考力・判断力が鈍くなり、
感情があらわになっていくのは、
アルコールには、人間の意識や精神活動など
理性をつかさどる大脳皮質に麻酔作用をおよぼし、
コントロールを変調させるからです。

大脳皮質の働きが鈍ると、
普段は抑制されている大脳辺縁系という、
人間の本能や感情をつかさどる部分が
活発に働くようになります。
アルコールの麻酔作用は初期の軽い段階が
非常に長く続くので精神的な抑制が解かれ、
興奮状態が表面化しやすくなります。
お酒を飲むとストレスが解消されたように
感じられるのはこのためです。

これが「酔い」の正体です。

「酩酊度」とは?

「酩酊度」とは酔いの程度のことです。
酩酊度は脳内のアルコール濃度で決まりますが、
実際に脳内のアルコール濃度を測ることはできないので、
これと平衡関係にある「血中アルコール濃度」が
酩酊度を知る最も有力な指標であるとされています。

  

  

 

血中アルコール
濃度
区分 臨床症状 酒量の目安
0.02~0.04% 爽快期 気分さわやか
活発な態度をとる
日本酒(~1合)
ビール(大瓶~1本)
ウイスキー(シングル~2杯)
0.05~0.10% ほろ酔い
初期
ほろ酔い気分 脈拍数・呼吸数早くなる
話はなめらかになり抑制が外れる
日本酒(1~1.5合)
ビール(大瓶1~2本)
ウイスキー(シングル2~5杯)
0.11~0.15% ほろ酔い
極期
気が大きくなり自己抑制が外れる
立てば少しふらつく
日本酒(2~3合)
ビール(大瓶2~3本)
ウイスキー(シングル6~8杯)
0.16~0.30% 酩酊極期 運動障害が出現する まともに歩けない
呼吸促拍 嘔気 嘔吐
日本酒(4~5合)
ビール(大瓶5~7本)
ウイスキー(シングル8~10杯)
0.31~0.40% 泥酔期 歩行困難 転倒すると起きあがれない
意識混濁 言語支離滅裂

日本酒(7~8合)
ビール(大瓶8~10本)
ウイスキー(ボトル1本)
0.41~0.50% 昏睡期 歩行困難 昏睡状態 屎尿失禁
呼吸麻痺をきたし死亡する危険大

日本酒(1升以上)
ビール(大瓶10本以上)
ウイスキー(ボトル1本以上)

また、「呼気中のアルコール濃度」も
「血中アルコール濃度」とほぼ平衡しているので、
飲酒運転の判定などに利用されています。

「急性アルコール中毒」とは?

血中のアルコール濃度が最高に達するまでには
飲酒してから30~60分ほどかかります。
ところが、大量のアルコールを短時間で摂ることにより
血中のアルコール濃度が急上昇し一気に「泥酔」「昏睡」状態になり
場合によっては呼吸困難を引き起こします。
これが「急性アルコール中毒」です。
血中アルコール濃度が0.4から0.5パーセント以上になると
その半数が1~2時間後に死亡しています。
イッキ飲みが非常に危険な飲み方であることは明らかです。

まとめ

お酒は飲み方を誤ると周囲に迷惑をかけたり、
生命に危険がおよぶことさえあります。
せっかくの酒宴を台無しにしないためにも
「酔い」を正しく理解して、
愉快に楽しく、適量を心がけたいものです。